スタインウェイ
ドイツ、ニーダーザクセン州のゼーセンで家具を製作していたインリヒ・エンゲルハルト・シュタインヴェークが、スタインウェイ初となるピアノを製造しました。その後、制作拠点をアメリカに移し、“Steinway&Sons”スタインウェイ・アンド・サンズが、1853年にニューヨーク州アストリアに設立しました。
ベーゼンドルファーなどが制作していた、宮廷音楽向けのピアノに対し、スタインウェイは産業革命によって豊かになったアメリカの人々が利用した数千人を収用する会場で弾くことを念頭において制作します。現在では必要不可欠な音響工学を初めて取り入れ、豊かな音の広がりを実現しました。
スタインウェイのピアノは、胴体が厚くどっしりしていて、響板からの圧力を支える構造をしています。また銅からの反射音も、多彩な音色作りへ荷担しています。
交差弦やデュプレックススケールなど、スタインウェイが作り出した技術や構造は、世界的にピアノ製造者のお手本となっています。
戦後の高級ピアノ市場をスタインウェイが独占します。優れた技術と高品質によってだけではなく、ヨーロッパ、特に敗戦国となったドイツの名門メーカーが大打撃を受け、工房や技術者を失ったせいでもあります。
1880年以降は、ドイツのハンブルクにも生産拠点を置きます。多くの巨匠と呼ばれるピアニストや大作曲家達がその素晴らしさを愛したことで、現在では世界で最も有名なピアノの代表格となっています。